スッと、言い出しっぺオトコの手が伸びてきた。

どうしよう、どうする⁉︎わたし。ちょうど、みんなから見えない位置にいる。

このまま耐える⁉︎でも、隠しようがないんだよ⁉︎

「…やだっ‼︎」

オトコの手が水着の布に触れた時、自分でも驚くような大きい声が出てしまった。

オトコたちは、わたしを睨みつけていて、周りからは変な視線が感じる。

ヤバイっ、わたしのせいでお客さん帰っちゃう…‼︎

とっさにバッと、後ろを振り向き笑顔を作った。

「ご、ごめーん‼︎虫、出ちゃって‼︎」

三十路過ぎたオンナが、なにペロッと舌を出してんだか。

自分でやって、むなしくなる。

「お姉さん、ごめんねぇ?さすがに下はマズかったよねぇ」

手をかけたオトコは謝るも、まったく誠意が感じられない。

これは言葉だけの謝罪。何度も謝ったり謝られたりを繰り返してたから、これが心のこもった謝罪なのか、わたしには分かる。

「ねぇ。じゃぁさ、その腕どけてみてよ?」
「はい…?」
「だーかーらー。俺たちにポロリ見せてつってんの。ほら、早く」
「こ、困りますっ…」

ほらやっぱり、悪いなんて思ってない。完全に楽しんでる、こいつら。