「はいはぁい、お兄さんたち二人ねぇ‼︎杏ちゃん、案内よろしくねっ‼︎」
「あ、うん。ど、どうぞっ」

あれから海の家に戻ると、準備をしていた三人に白い目で見られた…。

『ご、ごめんね…?』
と、申し訳なさそうに謝ってみたんだけど…。

『アンコ、あとであっちの部屋な』
『杏、仕事終わったらお仕置きね』
『さぁて、杏ちゃんにどんなエッチなお願いしよかなぁ〜、ねっ?』

なんて、三人とも恐ろしいこと言うから、とりあえず聞こえなかったふりしたよね…。

そんなわたしは今、男性客二人を席へご案内してるわけで…。

女性も案内しようとしたんだけど、どうやら眞一郎がイイらしく。

眞一郎の提案で、女性が来たら眞一郎。男性が来たら、わたし。となった。

男性と女性が来たら、手の空いてるほうで…。

「ご注文、お決まりでしたらお聞きいたします」

眞一郎に教わった通りに、男性客に尋ねる。

「じゃぁ、お姉さんにしようかな?」

ガハハ、と笑う二人のオトコ。眞一郎、わたしこういう時、どうしたらいいのか聞いてないんだけど…。

だって仮にも、お客さんだし…。これが営業先とかお得意様なら、愛想笑いとかするんだけど…。

接客も同じかな…?とりあえず、笑っておいたらいいのかな?