「よし‼︎絞ったよ‼︎置いていい?」
「うん、いいよぉ‼︎」

五つのテーブルに、濡らした布巾を一つ一つ置いていく。

その後ろから眞一郎が、箸立てに割り箸をセットしていく。

「何か杏ちゃんと、こうやって共同作業できて嬉しい‼︎」
「…そぉ?んー、わたしも楽しい、かな?」
「えっ⁉︎ホントに?ホントにっ?」

飛び上がって喜びを表現してくれる、眞一郎は、ホントに可愛くて、こっちまで笑顔になってしまう。

「眞一郎って、ホント可愛いよね」

思わず口にすると、眞一郎は急に不機嫌になった。

「あれ、わたしマズイこと言った?」
「ムゥ…。ボク、可愛いよりカッコイイって言われたい」
「あー、ごめんごめん。オトコノコは、そうだよね」

でもね、その怒り方も『ムゥ…』って、絶対に可愛いからね?

これ言ったら、また怒るだろうから胸にしまっておくけど。

「まぁ、いいや。杏ちゃんだから許してあげる‼︎」
「そ?ありがとぉ」

怒ってもすぐに許してくれちゃうんだから、可愛いなぁ眞一郎は。

「んー、あとはホントにないんだよなぁ。あ、そうだ‼︎」

何かに閃いた眞一郎は、わたしを置いてタッタッと走った。

ヤバイ…。ホントにワンコロみたい…。可愛すぎる…‼︎