「無理に決まってんだろ。英匙がキレる、ほぼ確実に」
「う”ぅ…」
「おいそこ、逃げないように。どうせ帰るって言ったってあそこだろ、それに…明日も明後日も休む気ではないよね?1日でどこかに行くわけないだろ」
作楽を見ずに、PCを操作する英匙。
黙り込む作楽は、おおよそ図星だったんだろう。さっきの言葉が。
こんなに弱っていることは珍しくて、同情してしまった。
女の強さを最近よく実感する。
「明日は絶対に来る。だから……」
外野が少し…いや、かなり煩くて邪魔な気もするが。それが気にならないほどに真剣なようだった。
英匙を見つめる瞳はまだ動揺して揺れているけど。
「……はぁ」
根比べに負けたのは英匙だ。
「今日だけだって、約束できる?」
「うんっ」
作楽の顔に赤みがかかって、英匙の表情が和らいだ。
「じゃあ今日だけね」
「わかった」
「うん。じゃあ…拳志、一緒に行って。一人も二人も変わらないから」
「あ、おぉ」