「まぁ、オサムも少し声のボリュームを

控えてな。元気なのは良いがな」



先生がそう話すと、出席を取り出してい

た。



その日の一現目の授業も特にかわったこ

ともなく、いつも通りの日常風景。



こういう平凡な毎日に、俺は特に嫌な事

もなく、のんびりと過ごしていたんだ。




授業が終わると、休憩時間になるのだが

いつも俺たち四人は集まって、話すのが

日課にもなっている。



「ねぇ、マキ。どうしてオサムなんかと

付き合えるの? うるさくってほんと仕

方ない!」



まだカオルが今朝の事を話している。



「アハハ。また二人は言い合ったんだ。

困ったものね。でも、これでもなかなか

良いとこはあるんだよ? オサムにも」



そう笑いながら、マキちゃんはカオルと

話しているのだ。



「そう? ただのスピーカー男としか思

わないんだけどね」



「なんだよ、スピーカー男って!

俺はなぁ! みんなにちゃんと聞こえる

ように話してるだけでさ! それを……」



「あー! もうっ! うるさい!」



カオルがまた言い出し始めた時に、授業

開始の音が鳴り響く。



「さぁ、終わり終わり! 続きはまたっ

てことで」



俺は、授業開始の音に、安心して話の流

れを止めていた。