しばらくすると、担任の中田先生が、廊

下をコツコツと足音を立てながら、教室

に入って来ていた。



「何をまた朝から騒いでいるんだ?

廊下まで声が響いているぞ?

まったく……またオサムが、なにかやらか

したのか?」



先生が呆れた様子で教室に入るなり、呟

くのもいつもの光景。



「先生! オサムを隣のクラスに移動さ

してくださいよ! うるさくってほんと

毎朝迷惑! せっかく静かな村なのに、

オサムがいるだけでうるさくなって、仕

方ないわ! ほんとにっ!」



カオルが無理難題を先生に言う始末だ。



「アハハ。そんな無茶なこと。

それに二クラスしかないのに移動したと

しても、隣からもオサムの声が聞こえる

かもしれないぞ」



笑いながら先生がカオルに話している。