「ねぇ、お母さん、なんかお爺ちゃんお

かしくない? すごく言い伝えの事を知

ってそうなのに、無理に話さないような

感じがしてさ……」



隣で家事をしながら聞いていた母親が、

答えている。



「そうだわね……でも話したくないことは

誰にでもあるからね。

あまりしつこく聞かないようにしなさい

よ。お爺ちゃんが疲れちゃうでしょ」



「まぁ、それはそうだけどさ……

やっぱり気になるんだよな……」



その日は、更にモヤモヤとした感覚を俺

は覚えつつ、夏休みが来ることを楽しみ

にしていたんだ。



もちろん不安感は大きかったけどね……



そして翌朝、俺達はまた四人で言い伝え

の事を話し合っていた。