「今日ね、俺がいつも一緒に学校から帰

ってる仲間がいるんだけど、帰り道に偶

然に住職さんと会ったんだ。

そしたら、村の言い伝えの話になってい

ってね。

その言い伝えの物を供養してあるものが

あるからって……

それを伝えておいたほうがいいだろうっ

て、住職さんに言われたんだ」



「供養の物じゃと……いったい住職さんは

お前たちに何を伝えようとしてはるんじ

ゃ……

あの言い伝えを、伝える日が来たと、住

職さんはお考えなのか……」



「やっぱりお爺ちゃん知ってるんだね。

その言い伝えの詳細をさ」



「わしからは、話すことはないんじゃ……

住職さんが来いと言うなら、行ってみる

がよかろう。しかし……」



「しかし何?」



「いや、なんでもないわ」



そう話すと、秀弘の横をすり抜け自室に

入っていったのだ。