その時、オサムは顔を青くしているのが

俺の目には見えていたが、マキちゃんの

父親はそれには気付かずに、話を続けて

いたのだ。



「お前たちは、もうすぐ夏休みだろう?

まだしばらくは、電気屋さんの息子の捜

索も続くだろうから、ゆっくり時間の取

れる夏休みになったら、四人でお寺の方

にいらっしゃい。

その時に私も先代から聞いた話をするの

でな。くれぐれも興味本意で押し入れを

開けないようにな。

まぁ、満月までは、まだ日があるから大

丈夫だとは思うが……」



そう話すと、マキちゃんの父親はまた捜

索に戻って行ってしまったのだ。



俺は、三人の顔を見渡していたんだが、

やはりオサムだけが、ガクガクと震えて

いたのがすぐに分かったんだ。