「あの言い伝えは、ただの噂話ではなく

て、少々やっかいなものでね……

私も実際にこの目で見たわけではないの

だが、それにまつわる物を私の寺に供養

しているんだ。

先代の頃からずっとね……」



「え……お父さん。そんなこと私聞いたこ

とないよ……お寺にそんなのがあるの?

初めて今聞いたよ……」



マキちゃんが、驚いた表情で話に入って

きていたのだ。



「あぁ……こんな事件が更に起きる前に話

さないといけないだろう。

お前たち四人が、興味を持ってしまって

るみたいだからな。

興味本意で仮にやってしまうと、大変な

ことになってしまうからな……」



マキちゃんの父親は、ゆっくりとした口

調で俺達に話してくれている。

表情を悲しい色に染めながら。