「でもなぁ……私そういう話って信じない

のよね。マキには悪いけどさ……

実際に経験してないからだとは、思うん

だけどね。

聞くと怖いんだけど、でも実際に目の前

で見てないから……」




「そうだよね。私は小さい頃からお父さ

んのそういったお仕事を見てきたから。

だから、その言い伝えも興味本意では、

やめとこうって思ってて……」



「な! マキが言うように興味本意でや

るもんじゃないんだよ! 寝てる時に押

し入れに人が入ってると考えただけで、

気味が悪いから……」



オサムが、必死に話しているのだ。

普段の大きな声ではなく、体を小さくし

ながら、か細い声で。