「やっと今日も静かになってきたな。

毎度のことだけどさ」



「ほんと、オサムはうるさいんだから。

マキはよく我慢できるわよね?

私なら無理だわ、あんなスピーカー男」



カオルが愚痴をこぼしながらも、俺とカ

オルは、二人がいなくなった事もあり、

手を繋ぎ話だし始めていた。



「カオルは、夏休みが始まったら何か予

定してることはあるのか?」



「んー、今年は特にないかなぁ。

私は大学も行かないし、受験勉強をする

こともないしさぁ」



「そっかぁ。俺も同じだなぁ。

あの二人は進学するらしいけどね」



「らしいね。あの二人も都会に出ちゃう

んだね……」



普段はオサムと、言い争っているカオル

も、やはり仲間と離れるのは寂しいのだ

ろう。

悲しげな表情を見せていたのだ。