「ちょっと! オサム聞いてるの?」



マキちゃんがオサムに、そう話し掛けて

いたが、さっきまで騒ぎ立てていたオサ

ムが、今はうつむき黙りこくっているん

だ。



どうも、オサムはこの手の話が苦手なの

だろう。昔は我先にと、こういった話し

でも騒ぎ立てていたが、思春期を迎える

ようになり性格も変わっていったのだろ

うか。

まぁ、普段の騒がしさは相変わらず、昔

と変わってないのだが。



「なるほどね! オサムは、こういった

話が怖いんでしょ? ウフフ」



カオルが勝ち誇った顔をし、話し掛けて

いる。



「別にぃ……ただ興味がないだけだし」



「まぁ強がっちゃってさ! そんな筋肉

バカみたいな体して怖いとか!」



カオルが更に詰めよって行く。



カオルに弱点を見せてしまったことに、

オサムは気まずいのか、自分の席に足早

に戻って行ったのだ。