それは、マキちゃんが話しのきっかけを

作る事になる。



「昨日ね、お父さんと話してたんだけど

ね、一年生の男の子が二日前にいなくな

っちゃったらしいの。電気屋さんのとこ

の」



「え……? また?

今回はあの男の子が? 先日も走り回っ

てるのを見たけどなぁ……

いなくなった理由は、聞いてるの……?」



俺は、その男の子を知っていただけに気

になって、マキに詰めよっていたんだ。



「分からないらしいよ。いきなりいなく

なっちゃったらしいの。今も大人達が探

してるらしいんだけどね……」



村では毎年、理由は分からないが大人、

子供関係なく、失踪する事件が起きてい

たのだ。



どれ程探しても見つからないことから、

村の皆は、【神隠し】だと恐れていた。