「こっち」


腕を引っ張られて座ったのは
佑太郎があぐらをかいている足の上


後ろから抱きしめられた

とりあえず話を聞かないと…


「佑太郎?なんかあったの?」


「なにもない」


え?なにもないのに呼ばれたわけ?

もー、わけわかんない


「心配で来たんだよ、どうしたの?
麻乃じゃ話せない?」


「だって、あーにでも言わないと麻乃
会ってくれないから…
嘘ついてごめん
麻乃に会いたかっただけなんだ」


今更こんな優しい言葉

いつもは麻乃のことなんて考えてないのに
ずるいよ