その時だった。
「あぶね!?うわあぁ!」
「キャー!」

グシャと鈍い音が聞こえた。涼は後輪に突っ込まれたのである、転んではないがバランスを崩しよろよろと車体は進む。涼はミラーごしに転んでいる女子高生を見てすぐに自転車を左に寄せて止まった。
「すいません!大丈夫ですか!?」
自転車を降りた涼はすぐに女子高生のもとへ走った。
女子高生はよろけながら立ち上がりかごから飛んだ鞄をとりにいく。涼は女子高生の自転車をおこした。
「すいません、急いでたんで・・・怪我はしてませんか?」
涼はこの女子高生の顔をここでようやくはじめて覗いた。
(かわいい・・・)
とっさにそんな事を考えたがすぐに現実へ戻された。