初対面なのに込み入った話をし過ぎたかな。
それでも、知りたいと思った。
「今日は放送室に業者さんが入ってるからここに居るだけで、いつもは放送室」
「どうして放送室? 放送部とか?」
「そう、あそこは雑音が少ないから」
雑音。
その一言で片付けられてしまう音は、彼女にとって何なのだろう。
「で、見た感じ顔に傷は無いけど」
「あんま痛くない」
「六限、行けば?」
軽い言葉で追い払われた。
教室に帰ったら、また色んな人間に声をかけられる。女子にも男子にも、俺にサーブをしたくクラスメートだって。
それを予想出来て、俺は教室に戻る。