一応、言葉を探してから、

「言いにくいことなんだけど、」

「何」

「スカート捲れてますよ」

ゆっくり振り向く顔。それとは反対に、すごい速さで枕が飛んできた。

顔面で受け取ることは流石にせずに、両手でキャッチ。

「教えてあげたんだけど」

「言いにくいならずっとこっち見てんなヘンタイ」

はい、言い返すことは出来ません。下着は見えなかったけど、白い太腿を見ていたのは確かだ。人間というか男の性だ。

昼間はこんなに喋るイメージが無かった。掛かった時計を見上げれば、六限が始まっている。

ということは、彼女もサボりか。

「今、何の授業?」

「さあ?」

「いつもここでサボってる?」

天井を見ていた視線がこちらに向いた。