気付いたらベッドの上だった。そして顔の上には氷の入った透明な袋。

起き上がってそれを持つ。じんわりと痛いき気もするけど、冷たさで麻痺している。

「顔面レシーブって、漫画じゃないんだから」

近くから声がして見ると、隣のベッドに寝転がっていた女子。

…あ、今日水をかけてしまった子だ。

「もしかしてあたしの愛読書に水をぶっかけた罰?」

指差す方は日向。棚の上には太陽光を浴びる分厚い本。

「…すみませんでした」

「本への謝罪?」

「うん、そうしとく」

「宜しい」

満足げに笑った顔は、随分美しい。

ごろんとこちらに背を向けて寝転がる彼女。