傍から見ればタダの善意溢れる子、だけど木暮が言うには女子のターゲットとなっているらしい。

何かと省かれる。

いじめか、と聞かれたらいじめなのかもしれない。
誰も見ているだけで助けない。男子は愚か、そういうものに参加していない女子にも。

でもすぐにターゲットは変わる。誰か女王様がいるわけではない。

空気でそれは変わる。

「女子ってなんでああドロドロしてんだろうな」

「それは逞しくもなるね」

「あ、お前、ボール、」

木暮の視線に横を向くと、顔面にボールを受けた。情けないことにしゃがみこんだ。鼻というか右頬骨が重傷な気が。

女子の黄色い声が頭にガンガンと響いた。