朝、早めに学校に着いて、なんとなく放送室へ行ってみた。

ノックをすると「はい」と返事がある。彼女のではないそれに、入るのを躊躇ったけれど、コンコンダッシュというのも頂けないので、勇気を持って扉を開けた。

普通の扉よりも重い。

「失礼します、あ」

「おはようございます、何か…?」

一年生の真面目そうな女子が掃除をしていた。小さめの段ボールがいくつか並んで、カセットテープを分別をしているようだった。

その向こうに並んだ三つの椅子。背もたれの向こうにだらりとぶら下がる腕。

彼女が眠っていた。

「部長に用ですか?」

一年生が彼女を見ながら部長と言った。部長なのか、この子。