そういえばバスケ部のマネだったな、と思い出す。苦笑いでそれを落ち着かせていると、また次の奴に勧誘を受ける。
運動部だからとか文化部だからとかじゃないんだけど。
木暮も木暮で一年の頃に俺を陸上に誘っていた。断って今はこんなになっているんだけど。
こんな細腕で、しかも顔面レシーブを食らう俺が今更運動部に入れるなんて思ってはいない。
授業が始まって周りが静かになった。
雑音って、何だろう。
ふと彼女が言った言葉が頭に引っ掛かる。黒板から少し視線を逸らして、坂井さんの後ろ姿を目に入れる。
毎日偉いな、と思う。
学校に来て授業を受ける。そんな普通のことが辛いことに変わるかもしれない。
俺だって他人事ではない。