「おっ、仁。やっぱお前か」


最後まで弾き終わりそうになった時、雅紀が音楽室に入ってきた。


あれ?奈美と帰ったんじゃないんだ。


「どうしたの?」



「いや、教室行ったら誰もいなくて、そしたらピアノの音がしたから来てみた」



「あぁー…そんで?」



「機嫌わりぃな」



「別にー」



「あのさぁ、俺、奈美と付き合えたんだ。
今マジ幸せなんだよー」



あぁー…


その瞬間、紗英とバッチリ見てたから知ってるんですが、まぁーここは一応…




「マジで!?良かったな〜本当おめでと」


「おぉ、サンキュー。
紗英はどうした?いないの?」



とりあえず


さっきの話を雅紀にしてみた。


紗英がいきなり帰っちゃった意味がわかんないし。




「はぁーなるほどね…」



「ねっ?意味不明でしょ?
俺、何も悪くないよな?」



そう言うとなぜだか雅紀は大爆笑している。



なんだよー

いきなり気持ち悪りぃなぁー…