明日は卒業式。
あっという間の三年間だった気がする。
二年生のクラス替えで紗英とか雅紀とかと知り合って、こうやって今も一緒にいる。
でも
明日が終わったら、またみんなバラバラ。
大学とか専門とか就職とか…
下手したらずーっと会えないかもしれない。
だから雅紀は今日奈美に気持ち伝えたんだって。
卒業してからもずっとそばにいたいし、いてほしいから。
「紗英なら絶対いい人見つかるよーマジで
なんてったってみんなの憧れなんだから」
「うーん…」
「彼氏できたらちゃんと教えろよな?」
「でも仁が恋しないなら、あたしも恋しないなぁ〜」
「ハッ?ダメだろ!!
そしたら一生恋できないじゃん。紗英はいい人見つけていい恋しろって!!」
「ハイハイ、わかりました。そうします!!仁のバカ、もういい」
紗英は自分のカバンを持って、走って教室を出て行った。