「前から好きでした、付き合ってください」
そんな告白を生まれてから、僕は一度もしたことがない。
というより
誰かに恋をすること自体あきらめて生きてきた。
きっと
この身体のせい…
生まれた時から動かないこの二本の足、下半身マヒ。
車椅子の僕を誰が愛すの?
僕はどう人を愛すればいい?
カッコイイ、優しい、明るい、面白い…
そんな男の人は
きっと世の中には溢れかえるほどいて
別に僕じゃなくたっていい。
誰かを好きになったって
自分の好きになった人には幸せになってほしいから
その人に素敵な人が現れるまでずっと待ち続ける。
それが
僕の中の精一杯の
“恋のキモチ”だった。