そして


また何もなかったように、麻里ちゃんはクルっと反転して階段を上っていった。






「嘘やん…な?」




まさか…


まさか…な?





麻里ちゃんは耳は聞こえへんし、俺の声が当然届くはずもない。


なんやねん、今の…。




俺は麻里ちゃんの姿が見えなくなるまで、ずっと手を振っとった。





でも…






いつか





いつかきっと…





俺の声が




俺の気持ちが





ホンマに

麻里ちゃんに伝わるとええんやけどなー…。







~この声が届くとき~
【END】