だけど…
幸せな時間ほど、あっという間に過ぎる。
誰かがそう言ったけど、ホンマにそうやった。
気づいたらもう駅に着いてしまった。
あんなに降っていた雨もいつの間にかやんでしまって、太陽がひょっこりと顔を出してる。
「じゃあまた明日ね」
そう言うと麻里ちゃんは最後に
《実は…あたしこうやって男の子と2人で一緒に帰るの夢だったんだ。今日はありがと》
こう書いた後の文の最後に、おまけに小さいハートマークが付いてあった。
もう…
ホンマに胸キュンやった。
その言葉と笑顔を残して、麻里ちゃんは駅の階段を上っていった。
それを
ボーっと見ている俺。