体育館を出て校庭に向かうと桜が見渡す限り咲いていた。

人がだいぶいなくなっていたためより一層綺麗に眺められた。

校門の横には特に大きい桜が咲いていた。近づいて行くと中山蓮がいた。

中山蓮は桜の木に寄りかかって携帯をいじっている。
すると、わたしに気がつき少しビクッとした。

「あ、あの。なんか用ですか?
てか、同じクラス…の子だよね?」

中山蓮が話しかけてきた。

「あ、は…はい。石井です!!!
中山…れん…くんですよね?」

「石井か!!!本名覚えてくださり光栄です!!てかタメ口でいいよ!」

そういってニコニコと笑った。

「うん!!よろしくっす!!!」

なんか“っす”なんてつけてしまった…

けれど、中山蓮はニコニコして私を見つめる。綺麗な瞳が真っ直ぐ見つめてくる。私は恥ずかしくなって目をそらした。

「れん!!!!!」
遠くから誰かの声が聞こえた。

「あ!!じゃあ、行くね!また明日!!押忍!!!」

走っていく。
後ろ姿までなんだか綺麗だった。