「てかさ、なんで俺のこと名前で呼んでくれないの?」

「ふぇっ?!!」

突然振り返り中山が聞いてきた。

「呼んでよ。名前。」

こっちを真っ直ぐ見つめる中山。

「れ、れん…」

目をそらしながら小さく呟いた。

「え?聞こえない」

わたしの顔を覗き込んで意地悪な笑顔で言ってくる。

「れん!!」

精一杯の声で呼んだ。
中山が笑う、

「はい、なんですか?」

優しい笑顔で中山が聞いてくる。

「な、中山が呼べって言ったんじゃん!!!!」

お腹をポコポコと殴る、

「ごめんごめん、じゃあそろそろ行こっか。」
笑ながらわたしの頭を撫でて、廊下へ向かった。

「う…ん」

小さく返事をして
中山の後を追いかけた。