…もう、本当にやだ。
どうにもでもなれ!
先輩の元へ歩み寄る。
一歩一歩緊張してしまう。
やっと辿り着いて俯きながら口を開いた。
「先輩の、好きな人は誰…ですか?」
長い沈黙。返事がない。
「あの、先輩…?」
顔を上げてみると、真っ赤な顔を腕で隠して、目をそらしている先輩。
「先輩?」
「好き…だよ」
えっと...誰が?
…あれ?話しの流れ的に…。
なにこれ。
「…私、ですか?」
めちゃめちゃ恥ずかしい…。
「うん…。春沢さんは?」
顔が赤くなったのが分かった。
絶対私の気持ち分かってる…。
「す、好きに決まってるじゃないですか…!」
そう言うと満面の笑みで
思いっきり頭をなでられた。
「知ってる」
先輩…ずるいって。
「…俺と付き合ってくれますか?」
あの時と同じように柔らかく笑いながら言う先輩。
「はい…」
私の王子様はいつだって図書室にいる。