「やば。寄り弁してる」



そう言ってお弁当の中身を見せてきた。


うん、ガッツリ左に寄ってる。




「あはは、ほんとだ」




笑いながらお弁当を取り出すと、突然聞かれた。



「ねえ、なんかあったの?」

「あ~…ちょっとだけ」

「話してみなさい」




こういうときは、真剣な顔になってくれる。




「先輩ね、気になってる人がいるんだって…!」

「へ~。誰だか聞いた?」

「ううん」



傷付くの嫌だし…。


すると箸を止めて、私の顔をジッと見た。



「…聞いちゃおっか?」

「え?無理!無理無理無理無理無理!」

「いいから。放課後図書室ね」




私は、一人満足げな彼女を呆然とみていた。


......まじですか。