さて、来たよ。
ついにこの日が。
カレンダーにわかりやすく赤まるが
ついている今日の日付。
それを見ただけなのに、心臓が鳴りやまない。
昨日は緊張と期待でよく眠れなかった。
我ながら子供っぽい。
遠足が楽しみで前日眠れない
小学生みたい。
と、そんなことを考えながら、
しばらく着ていなかったお気に入りの
ワンピースをクローゼットの奥から
引っ張り出した。
「うーん、これはちょっともう
無理か…?」
鏡の前でワンピースを体にあて、
小さくそう呟いた。
膝よりも高い位置にくるワンピース。
所謂、ミニスカート。
二十代後半で、これ来てくる女って、
部長引いたりしないかな?
「え!?もうこんな時間!?」
あれこれ悩んでいるうちに、ふと、
壁にかけられた時計に視線をむけると、
針は午前9時47分を指していた。
部長が迎えにくる時間は10時。
なのに私、メイクもしてないし、
髪も整えてない!