〜楓〜

ちっ
なんなんだよ、あいつ。
いきなり叩いて来やがって。
ますます気に入らねえ。

それにしてもあのメガネ度はいってねえじゃん。
そんなに顔見られたくねえのかよ。

そう思いながら俺は教室に戻った。

「こらー!森下!どこいってた!」
先生がそう言いながら俺をみた。
んー、どういう言い訳にするか、、、

「すみません。村高さんが気分が悪かったそうだったんで、心配になったんで後を追いかけてました。」

「あぁ村高か!村高は大丈夫だったのか?」

「あぁ大丈夫そうです」

「そうか、ならよかった」
先生はほっとした表情になった。

それにしてもほっぺ痛え。
あんなに強く叩かなくてもよかっただろ。
じんじんと痛む頬に手を当てた。
それにしても村高、許せねえなぁ。
俺を叩きやがって、、。

ガラッ

「すみません!村高さんが早退するので荷物まとめてもいいですか?」

「あぁ田之上先生!いいですよ!村高さん大丈夫か?」

「んー、大丈夫そうです!」

「なら良かった!」

「ごめん、森下くんちょっと邪魔するね」
そういい俺の方にかけてある鞄をとりノートなどを鞄に詰め込んでいる。

「ん?森下くんどうしたのその頬。赤いわよ?」

「あぁ、ちょっとね」

「後で保健室に行きなさい!絆創膏あげるから」

「ほーい」

そういい田之上先生は出て行った。
そんなに俺の頬赤いの?
どうせ授業面倒いし、今から保健室いこ。

「先生!ちょっと保健室行って来まーす!」

「なんだ?サボりか?!」

「ちげーよ」

そういい教室を後にした。
保健室に行く前にトイレにより鏡をみた。
うわぁ、赤い。
村高のやつ強く叩きすぎだろ。
そうブツブツ言いながら保健室に行く。

ガラッ
ん?
誰かいる?
黒く長い髪がふわふわしていて長いスカートを折ろうとしていた。
俺を一目みて急いでスカートをおり逃げるように出て行った。

ふわっとローズの香りがした。

「なんだ?あの人?」
ぱっと見た感じすげえ美人だった。
見たことない人だけど、、。

「ん?なんか落ちてる。」
キラリと光るものが落ちていた。
近くに行きそれを手に取った。

ひなことローマ字で刻まれたブレスレットだった。
「さっきの人のか?」
とりあえずそれをポケットに入れた。