「えっ…?」


「実は、私も…水城君と久しぶりに登校するんだと思ったら、楽しみで早起きしちゃった…。支度も早く終わったから、部屋でソワソワしながら待ってたの…。こんなことなら、早くマンションから出てくれば良かったね…。」


小春川の頬が、ほんのり赤い。


その姿を見たら、俺も顔が熱くなってしまった。


会って早々、嬉しさが心の中に広がってる…。


鼓動が弾む。


完全に、これは…小春川効果だな。


「ご、ごめんね…水城君。」


「そんなの、謝らなくていいよ…。それより、小春川…楽しみにしてくれてたんだな。それ聞いて、俺…舞い上がってる。」


「えっ…」


ビクリと肩を上げて、小春川が俺に視線を向ける。


それと同時に、俺は思いきって小春川の手を握った。


「そろそろ、学校…行こっか。」


「あっ、うん…。」


二人で歩き始める。


キンと冷えた空気が熱くなった頬を撫でて気持ちいい。


隣を歩く小春川に視線を向けると、チラチラと手元を見ていた。