「あっ、岬境く~ん。」

「ごめん、1人で歩いてて。」

「ううん、私の方こそ・・。」

いや、弥月は悪くないのだ。

なぜかと言うと、俺が頭の中でいろいろ考え込んでて、無我夢中になってしまっていたからだ。

そう、昔からの悪い癖。ついつい自分の考えが広がると、周りのことが見えなくなってしまう。

今の歳でも、よく母親から

『自分の世界を広げるんじゃないの!』

と説教されるのです。

だから決して、弥月は悪くないのです。