はるside

「ねぇ玲、本当に私がジュリエットをやるの?」

「今さら何言ってるの?もう明日なのですよ。」

「それか、ロミオ役に不満?本音を言うと、岬境くんが良かった?ハルちゃん。」

「ちっ、違うよ!」

照れ隠しのはずだったのに、結構本気で言ってしまった。

「でも、あれ岬境くんじゃない?」

いよりの指がさした方向は、体育館の舞台の反対側にいる学ラン姿の彼だった。