桜が散り始めた春、高校入学して１年経った２年生の４月下旬。

「てか、２年にもなって知らない奴とか普通にいるし。」

「仕方がないだろう、なんでも有りの人気校なんだから。それに、お前が入れた事が不思議でたまらん・・。」

「なぁ！！」

ぐだぐだ言っている神也　達(かみや　たつ)を理屈で返す宮崎　海(みやざき　かい)。

２人が言い合っている中、廊下の方も騒がしかった。

「俺、告っちゃおうかな～」

とか、

「今日も可愛いね。」

などとざわめきの中、極普通に歩いて来る女子がいた。

次の瞬間、廊下のど真ん中で１人の男子とぶつかって教材の全てが落ちてしまった。

戸惑いを隠せない男子の目の前にしゃがみ込み、教材を拾ってあげた。

そして、笑顔を振りまき

「ごめんなさい、前を向いていなくて。はい、どうぞ。」

渡された男子は赤面になり、硬直していた。

た。