「まさか、玲があんな事言うなんて・・。」

話合った結果、ロミオとジュリエットの演劇が決まった。

そしてまさか、この私が主役を任されるなんて、人生の最初で最後になるだろう。

「脚本を書いてみたかったの。」

目をキラキラさせて話し掛けて来る玲は、生き生きしていた。

「だから朝、あんなに堅苦しそうにしてたんだ、玲ちゃん。」

「私が人前で何かをすることが、苦手なの知ってるくせに・・。」

「けど、高校で何かを変えたいから行動したんでしょ。」

はるがそう言うと、

「うん。」

玲は、満足げに微笑んでみせた。