「歌?」

微かに聞こえてくる、女子の歌声。

彼女だ。なぜかそんな気がした。

~誰もいない僕だけの時間 ここから眺める景色はもう飽きた 

砂時計の砂は落ち続け この歌だけが僕を包む 最後に見た君は笑ってたんだ~


「・・。この携帯誰のだろう?」

はるが立っていた目の前に、見覚えにある携帯が落ちていた。

「あの・・・。」

思わずドアを、押し出してし情けない声を出してしまった。

キョトンとした春の姿に

「あ、あなたの。えっと、はるさん?」

はるは、携帯のストラップに彫ってある名前を読み上げた。

「それ、しゅんって読むんだ・・。」

きっと今の俺の顔は、最高に頬がつり上がっているだろう。