引き継ぎ式の後は、最後の別れを惜しむ時間になった。

俺は桐谷先輩につつかれて、かばんから封筒を取り出した。

そして、二人で茉莉花先輩の前に立った。

桐谷先輩の手には、手紙の他にプレゼントの包みもあった。

茉莉花先輩は、俺たちを交互に見上げて笑っていた。

「ありがとうございましたっ」

俺たちは同時に頭を下げ、持っていたものを差し出した。