その表札は、すぐに見つかった。

「桐谷」

大きな家だった。

洋風で、赤い屋根と飾り窓が可愛らしい。

庭も広かったが、何も植わってはいなかった。

俺はひとつ深呼吸をして、インターホンを押した。

ピーンポーン!!