俺は、ある可能性に行き当たった。

「先輩、もしかして……熱あったりするんじゃないですか」

先輩はほんの少しだけ微笑んだ。

「やっぱり……わかっちゃう?」

「わかっちゃう?って……バレバレですよ! 具合悪いんですよね。本当に大丈夫なんですか!?」

「たぶん、大丈夫……」

「伊藤先輩とか茉莉花先輩に言っといた方が……」

「だめ!!」

桐谷先輩は叫ぶように言った。

「だめ。絶対だめよ。隠し通すの」