ある日の午後、次の授業は科学だったため、科学室へ向かった。

 急いでいたから周りが見えていなくて・・・

 ドンッ

 ばさっと教科書が私の腕から落ちていった。
 それを拾って顔をあげると、

 青木 稜がいた。

 まさか出くわすとは思っていなかった。

 面倒なことになると瞬時に思った。

 だから私は

 「すみません」

 と、あたかも彼を知らないというように去ろうと歩き始めた。

 だけど・・・