キーンコーンカーンコーン
4時を知らせる鐘がなった。
と、その時…
ガンッ
ばっと振り向くと、そこには
「可奈子…」
可奈子は、一瞬固まると、目にいっぱい涙をためて小さい声で「ごめん」というと、走りだした。
「可奈子!ちょっと待って!」
やっぱり、可奈子は大樹が好きだよね…?
このままじゃ、ダメ。
「大樹、可奈子とちゃんと話したほうがいい…
私はもう平気だから、行ってあげて?」
「え?でも」
「いいから!
さっきはあんなこと言ったけど、やっぱり仲の悪い2人なんていや。
大樹だってこのままじゃ嫌でしょ?
分かってるから。
大樹にとって可奈子が大事な存在だってことも。
大樹がいたから今の可奈子がいて、
可奈子がいるから今の大樹がいるってことも。
だから、行って…?」