*さゆりside*


放課後の教室


みんな帰って、今は二人。


「大樹、さっきの、可奈子とケンカ?」


「別に。知らないあんな奴」


「ちょっと言いすぎだったんじゃない…?
謝んなくていいの?」


「は?元はといえばあいつが無視すっからじゃん。

話しかけんなとか言うし。
意味わかんね。

てかなんでさゆりにそんなこと言われなきゃなんねーの?」


「だって……大樹っ…うっ…」


なんか分かんないけど、泣けてきた…


「えっ!?あ!ごめんさゆり!ちがう!

今のやつ当り!まじごめん!!」


「なんで?なんで可奈子ばっかなのっ…?」


「は…?」


「だって、普通女の子に無視されたぐらいでそんなにキレないよね?

大樹やっぱ可奈子のこと、好きなんじゃないの?!」


つい、声を張りあげてしまった…


「さゆり…?」


「あっ、ごめん…違う。言い過ぎた。

大樹のこと、信じてるけど、頭が勝手に考えちゃうの。

もし、可奈子の事が好きだったらって…」


うっ…また涙が…