朝、目が覚めたらなんだかいい匂いがした。



何の匂いだろ?



1階に行ってキッチンを覗いてみると、竜也が朝ごはんを作っていた。



「何作ってるの?」


「何って、朝飯だけど…」


「いや、それぐらいはわかるけど、具体的に何作るの?」



「目玉焼きとソーセージとパン焼いてる」



「そうなんだ、私のぶんは?」



「ねぇよ」



「えぇー!ケチ!」



なんかこんな風に会話してると夫婦みたいだな……。



「なんか、夫婦みたいだな」



「え」


少し沈黙が流れた後、私はフフッと笑った。



「同じこと考えてた」



そう言うと竜也も少し照れながら笑った。