「榎島君…?」


何を考えているのか、榎島君は有華ちゃんの方をジッと見ている。


どうしたんだろう?


「アイツ……高宮有華だろ」


「そ、そうだよ…?有華ちゃんだけど…」


榎島君がとても険しい顔をしているから、私は口ごもってしまった。


榎島君、怖い……。


「お前、さっきアイツのこと見てたのか」


「え?」


ま、まぁそうだけど……。


「アイツと仲良くなりたいとか思ってんだろ」


「え…?」


な、なんでそんなに分かっちゃうの?


心を見透かされているようで怖い……。


「アイツだけはやめてくれよ!頼む!マジで!アイツとは仲良くなるな!」


どうして…?


私が誰と仲良くしようと、榎島君には関係ないでしょう?


まず、私なんかが有華ちゃんと仲良くなれるわけがないんだけど…。


「な?」


榎島君はそう言うと、とても可愛い顔で訴えてくる。


そんな顔しないでよ…。


「ど、どうして?理由は?」