「ないの?」


陵がトーストを食べ終わり、てんこ盛りのサラダをつつきながらまた聞いてくる。


もう、そんなに気になるの?


「ないよ。まず、私なんかが二人に告白されるわけないでしょう?」


私、目立たないし地味だし。


クラス写真を撮っても、自分で自分がどこにいるか探してしまうくらいだもん。


それって、可愛くないからってことなんだよね…。



そういえば、可愛いくて男女問わず人気者の子って…。


同じクラスの高宮有華(タカミヤユカ)ちゃん。


そんな私と正反対の有華ちゃんに、密かに憧れているんだよね…。



「えっ、マジ?ないのかー」


元から大きい目を、更に大きくして驚く陵。


そ、そんなに驚くこと?


私のこの容姿を見ればそんなの一目瞭然でしょう。


まず、人気者でかっこいい二人が私と一緒にいてくれることがもう奇跡みたいなもの。


それなのに、恋愛感情なんて…。


あっ、有り得ない…。