「あんた、いつも笑ってんじゃん。それって、男にモテようとしてるからなんじゃないの」
堀田真美は、更に困った顔をして言った。
「そういうことは、あんまり思ったことないかな…。だけど、男の子にも女の子にも友達として嫌われたくはないかなって思う」
そう言ってから、『私なんかがそんなこと思ってたら余計嫌われちゃうね』と笑いながら付け足した。
「そんなことないよ」
私がはっきりと言うと、堀田真美は一瞬驚いた顔をして、苦笑いした。
「そうかな…」
私は続けて言った。
「あんたは嫌われてないよ。むしろ、好かれてる」
私の言葉から自信を感じたのか、優しく笑った。
「ありがとう。斉藤さんにそう言われると、自信もてるな」
そう言うと他の友達から呼ばれ、『またね』と言って走っていった。
