それから“そこ”は、私たちの秘密基地に戻る。


秘密基地っていうのは、実は私の家の屋上。


ほぼ毎日、放課後に亜美ちゃん、大久保君、田中君、私の四人でここに来ては、宿題をしたりお喋りをしたりして過ごしている。


ちなみに、ここは私の家の屋上だから、私がいないとここに来れない。


だから誰かがここに行きたいと言えば、私の意志なんて関係なしに私もここに来なければならない。


それが、ちょっぴり苦痛なところ。


だけど、こうやって綺麗な景色が見られれば、そんなことも忘れてしまうんだ。



今も、こうやって初夏の爽やかな風に吹かれながら三人で寝っ転がり、大きな空を見上げている。


私はこの時間が大好きなんだ。


とても心地よくて、この時だけは嫌なことも全部忘れられる。


そして、四人でたくさん笑いながら話すこと。


これが私の癒しの時間。



「にしても、真美ー。お前、一年の頃からテニス部のくせに、なに今になって筋肉痛になってんだよ」


大久保君が笑いながら私の痛いところを突いてくる。


「ずっと週に三回だったのに、今週から毎日になったんだもん」

「それにしてもなー。このはしごも上れないなんて、ちょっとー…」


そう言って、二人で笑っている。


「筋肉質な二人とは違うのー」


そう拗ねたふりをすると、また笑われた。